2025.08.08

国会混乱

 2025年7月20日に投票日を終えた参議院選挙は自公連立政権過半数割れとなる与野党逆転の国会運営を衆参両議院で行うこととなった。自民党・公明党の惨敗により新興勢力の参政党・国民民主党が大躍進を遂げた。国民の耳障りの良いフレーズは減税であったのだろう。給付を訴えた自民党の声に勝りガソリン暫定税率の削減・消費税減税・社会保険料引き下げ等一般的国民にとって生活消費財に関係し直結する価格の引下げを求める欲求が多数を占めたといえる。各論的な見地からすると毎月の給与から支払われる生活費が少しでも軽減されれば生活不安や消費抑制の圧力が軽減され助かる事になる。

 では、減税した、引き下げられた保険料の歳入減額は一体どこで調達するのでしょうか?この穴埋めを赤字国債で充当するのでしょうか?ガソリン等の暫定税率は地方自治体の歳入原資となっています。減額になった自治体に対して国は地方交付税を増額して充当するのでしょうか?地方交付税の増額財源は一体どこにあるのでしょうか?経営を行っておられる経営者の方々は毎月の試算表や年一の決算書によって企業活動と経営内容を把握して赤字にならない様に常に神経をとがらせて事業運営に従事しています。地方自治体でも国でも運営を行うのは同じです。経営内容を十分に把握して、投資をするために借金を行い投資により得られた収益で借金の返済をする。どんな事業体も同じです。にも拘らず日本政府から貸借対照表・損益計算書等の決算書が公示されていません。歳入歳出決算書で黒字か赤字かの実質判断はできません。歳入から歳出を引いた残りがプラスであったなら黒字ですから借金も歳入です。よって日本の実質の運営状態・経営実態を確認するのはBS/PL/CFが必要なのです。その数値によって各政策の財源を見極めながら事業実施していかなければならないのですが、国会議員のお一人お一人が日本国の経営実態を把握されているのか甚だ疑問です。

 耳障りの良い減税・社会保険料引下げ・消費税引下げの一方で上下水道料金の引上げ、ごみ回収処分量の引上げ、レジ袋の有料化、宿泊税、高速道路料金の引上げ、電気料金の引上げ、公共交通機関乗車料の引上げ等の引上げが行われ一般国民にとっては生活が楽になると全く考えづらい。減額する財源を別次元で負担増加しているとするなら、政治家への1票に疑義が残る事になる。 日本の財務内容をもう少し明らかにして改善すべき項目も国民に示して議論してもらいたいものです。政府与党自民・公明の議論も野党多党の議論も根拠有る財政指数に基づいたものは全く感じられない。国の財政の行く末を考慮しつつ制度設計しなければならないのに何時までも繰り返す政権収奪闘争に明け暮れる毎日をマスコミが歪曲しながら報道して本人が発言していないものまで断定報道する有りさまで、その新聞にプレミアがつくという珍事。一体この国の将来は何処にあるのか?ネットやSNSの普及によりどこの局が何処の政党や企業や団体と結びついていて利益引水の為に情報操作しながら国民を洗脳しようとしているかが可なり明らかになりました。国会混乱はまだまだ続きます。

有限会社レイバー経営者コラム「国会混乱」