2018.05.10

人事制度について

人事制度は企業の経営計画・戦略に基づいた会社・部門・個人の目標を策定する①目標管理制度があり、②役職制度により指揮命令系統を整え、目標達成のため組織的にマネージメントを行う。さらに目標に対する結果に対して③評価制度で評価を行いその評価を個人へのインセンティブに反映するために④賃金制度がある。そして最後に目標達成の為に⑤教育制度がある。この①~⑤を運営することにより業績向上に向けた活動力を強化していく仕組みが人事制度だ。

しかし、中小企業では、人事制度を運営する人事部門は総務と兼任され、決められた賞与・給与を支払うことが主な職務になっている事が多い。そこで人事制度改革、又は人事制度の整備を行うわけだが、そこには従業員からの反発等の障害が起きる。

人は今までのやり方を変えようとすると、身構え反発する。最悪の場合、従業員が自分の考えと会社が違う方向に向かっていると判断し、組織を去る事もあり、改革に対して妥協、時には改革自体を頓挫させる事もある。そういう時はなんの為に人事制度を構築するのかを考える必要がある。

そもそも人事制度は冒頭でも記したが、会社の業績向上の為のシステムである。目標を設定し、業務遂行について困った事があれば上司に相談・指導があり、その上で目標が達成する事が出来れば、人事評価により処遇が決定される。さらに必要な教育機会も与えられる事で従業員が成長・定着・モチベーションを維持し業績UPに繋がるという考え方だ。従業員が会社を辞める理由の1位は職場の人間関係によるものだが、その次に多いのは将来が見えないからという理由だ。

自分が会社で成長し、面白い仕事ができ、業績を上げれば自分の年収を高くする事が出来るという、しっかりとした考え方で公正な処遇を行っている事が示せれば、優秀な人材は残り、そうでない従業員は処遇があがらない為組織を去る。さらに処遇に対する考え方を示す事により、人材獲得においても優秀な人材にアピールする事ができる。人事制度は従業員にもメリットがあり、それが会社の業績に繋がる事をトップがしっかりと認識し改革を進めていく事が重要だ。

人事制度は大企業だけのものと思われがちだが、規模の小さい中小企業こそ効果を得やすい。自分達の力が良くても悪くても結果に大きな影響を及ぼすことが実感でき、自分達が出した業績に対する手応えを感じやすい状況にあり、処遇を反映しやすいからだ。

人事制度の目的をしっかりと持ち、その会社にあった運用可能なシステムの構築が重要です。