2021.04.10

後進国

4月9日の日経新聞に「いつの間に後進国になったのか」の記事が掲載されていた。其処には、「ワクチン後進国」「デジタル後進国」「環境後進国」「ジェンダー後進国」「人権後進国」「財政後進国」とそれぞれのカテゴリーの根拠が示されていた。例えばワクチン後進国については中露のような開発国にもなれなかった。接種率は世界で100番目とある。また、デジタル分野では「5G」で競争に参入できず得意であった半導体も米国韓国台湾の後を拝する。「財政後進国」日本の公的債務残高の国内総生産(GDP)比は2.7倍に膨らんだ。財政危機が存在する。この【日本が「後進国」に転落した背景には、政治・行政の劣化にある。責任も取らず、構想力も欠く。問われるのは、日本のガバナンス(統治)である。コロナ危機下で科学的精神と人道主義に基づいて民主主義を立て直し、資本主義を鍛えなおさない限り先進国には戻れない。】(左記日経援用)と締めくくっている。わたくしは全く共感した。1年以上前から新型コロナ・コロナと巷で声が上がり未だ同じことの繰り返しを政治家やマスコミそして行政も発信している。国民はかなり「うんざり」してきているのが本音だろう。国がとった対策が場当たり的な政策であり将来を見通した構想の計画で行われてきたものでないことを国民は見通している。問題発生から解決に至るまでのプロセスに様々な利害関係が絡みスピード感を疎外し今に至っている。得体のしれない新型コロナウイルスの発生に対して時系列でどのタイミングで何をしなければならないのか仮説を立てその計画の実施がなされず国民に対してその計画が発表されず国会議員は東京に閉じこもって動けないと言う。この緊急事態に一体だれが指揮を執り国民を守るのか?この国の統治に疑念感が膨らむばかりである。

未だ日本人の心のどこかに世界の先端を私たちは歩んでいるのだとの錯覚をしている人が大多数のだろう。言い換えれば本当の平和ボケなのかもしれない。国の財政も自治体の財政も企業の財政も家庭の財政もすべてはお金が無くなっては回らない。借金地獄で誰が返済するのか?節制の無い財政規律を横に置き借り入れに依存するありさまが今の日本の姿ではなかろうか。この付けは必ず来る。突然国民に振ってくる。私たちは覚悟しておかなければならない。もう先進国ではないのだと強く認識しなければならない。

食料自足率も当然後進国である。国民の食卓を輸入に頼っているありさまで一度有事になれば食糧不足は誰でも認識できるであろう。これからわたくしたちに必要なことは「お金を持っておくこと」「強いぶれない精神と覚悟をすること」だと考える。

小牧社労士事務所*経営者セミナー「新リストラ時代」
有限会社レイバー経営者コラム「後進国」