2023.03.10

中小企業家はもっと吠えるべき

 過日、同業者から冊子を頂戴した。「会社の教科書」と題して、中小企業家の応援歌が綴ってある。非常に前書が面白かったので紹介したい。

 『昨今、学校教育が間違っているといわれる。中・高校生ともなれば天候の悪い日は親が学校まで競って送迎する。教師が子供への躾をしようものなら家庭への文句と捉えられ、教育委員化へ注文をつけられる。教育現場には恐い教えがない。競争させて結果に対する評価がない。教訓がなく、教員はいても恩師とされるものがいない。今や教育とは名ばかりで、学校生活は社会性、集団性とかけ離れた校則に縛られない自由気ままな遊び場となった。

 家庭に家事手伝いがない。行儀作法も躾も教えない。親父の鉄拳も無ければ正座もない。校庭の草むしりは、奉仕活動と称して親が頑張っている。子供に働くことの大切さを教えない。

 将来の夢と題する作文には「お金持ちになりたい」と書かれている。誠にやるせない。子供たちは将来の夢を持たずに要領よく生きることをいつの間にか覚え成長してしまった。世の中の風潮は集団性を好まず個人主義で剛健な指導を避けて自分のルールを大事にする。会社の組織に馴染めず打ち込む精神がないので、キャリアが身につかず、労働能力の蓄積がない。国はこの課題に対し職業訓練・職業能力の開発等と称して正当化された労働政策が進められている。時間外労働・休日労働の撲滅とかで、楽しく遊んで給与を貰うことが当然化されるような労働文化が流行り労働者の過保護政策が取られてきた。

 中小企業家はこれらの人材に労働生産性の能力の期待はおろか職業訓練の手ほどきに明け暮れている。国のツケや教育のツケ、家庭のツケの受け皿として労働者の名のもとにその管理責任を中小企業家に求めるとすれば、もはやパンクするしかない。・・・・・中小企業家は防衛力・攻撃力をしっかり持ち「他に依らず」「他に動ぜず」「他に迷わず」の戦陣を取らないと、消滅させられてしまう危機が迫っている。この国を支えてきた9割以上の中小企業家が負のツケに負けず、今まさに命を懸けて頑張らなくてはならないのである。鑑みればもっと中小企業家は怒るべきである。吠えるべきである。要求すべきである。ムダではないと信じて人材を人財にするために、もっと吠えて、唸って、国づくり、会社づくり、人づくりのためダメ社会・ダメ人間に気づかせなければならない。

 真に中小企業家の皆さんは、泣くに泣けない孤独の戦士なのである。』と、括っている。私達同業者含めて、日々労働問題・課題・紛争に直面しています。その内容が30年以上前と比較すると全く変わってしまった。例としては、利己中心的・個人主義的主張を歪んだ法律解釈で企業を攻撃してくるケースが多くなりました。その原因は上記の内容をもって理解することが出来るようにも考えられます。

 もっと吠えて頑張っていきましょう。

有限会社レイバー経営者コラム「中小企業家はもっと吠えるべき 」