2021.02.10

ほころび

新型コロナウイルスの影響により、国民の生命と財産を守らなければならない国や地方公共団体はそれぞれ最大の努力をして頑張っているだろう。しかし国民意識との乖離は相当なものだと思う。例えば生命を守らなければならないのに医療体制が整っていない。日本は医療先進国でありインフラ整備は官民合わせれば世界屈指の体制であるはずだ。しかしそれが機能しない。一体どこに原因があるのか?過日海外の友人から電話がかかってきた。彼が聞くのに日本の医療体制が逼迫していると報道があるが不思議だ。なぜと?皆さんはお分かりであろう。一方で財産を守らなければならない。定額給付金や特定給付金そして雇用調整助成金に家賃補助とお金バラマキ政策で凌いでいるのが現状であろう。これらの給付補助要件に該当しない人達もいる。その人らは生活困窮で預貯金を使い果たし家賃も支払えずに住む所や食べることにも不自由する現状もある。一方では給付金補助金で収入が増えたという人もある。経済活動をストップすると雇用が失われ失業者が増加する。その為の雇調金の活用により企業に従業員の雇用を継続させている。経済活動の再開の要件は新型コロナウイルス感染の防止と罹患後の治療医療体制の充実にある。防止策は現在、手洗いマスクの着用そしてソーシャルディスタンス(人との距離を置く)となっている。しかし世界ではいち早くワクチン接種に要る防止策が実施されている。治療医療体制はと云うとPCR検査など国を挙げて取り組んで感染者の掌握をして治療に当たっている。

日本では緊急事態宣言は国と地方自治体の責任の擦り付け合いや責任転換が報道などで感じられる。PCR検査などはどこで誰が行ってその後の指示をしているのか一般国民には知らされていない。PCR検査なども積極的に行わないことからどれだけの人が感染しているのかさえも不明である。むしろ感染者を把握しない方が良いとさえ考えているのではないか。受入れ医療体制が整っていないからではないか。国民(市民や町民)と一番近いそして現実的な行動をしなければならない市町村長が対策の指示の権限を何にも持っていないこと自体が自治体の体をなしていない。地方創生と声高らかに歌っておきながら自治の統治が出来ないありさまである。保健所は都道府県の管轄下であり市区町村には権限がないから何もできない。おかしくないですか?日本の縦割り行政やお上行政の綻びが露になってきた。様々な既得権益でしがらみの中で行われてきた行政運営が瓦解し国民との距離が大きな亀裂となり広がっている。私たち国民は一体いつになったらワクチンを手に入れられるのか?いつになったら経済活動を通常に行えるのか?生命と財産は一体だれが守ってくれるのか?今の政府は『自助』と申す。

有限会社レイバー経営者コラム「ほころび」