2021.03.10

人手不足

新型コロナウイルスによる感染者の新規感染や死亡者が発表されている。まるで天気予報のようになっている。関東の一都三県は緊急事態の延長を決めた。飲食店やホテル旅館や旅行業関係者などの企業に大打撃を与えている新型コロナウイルスである。一方で東京オリンピックの開催の判断又は手法などが検討され外国客無観客と言った措置の検討などがされ、どうしても開催するという動きがみられる。世界的規模の開催イベントに対応する人手の確保が出来るのであろうか。人手と人材は異なる用語でもあり全く違う。単純労働の繰返しを難なくこなす事の出来る人手と考えておこなう仕事が出来る人材の差である。さて、オリンピック開催に向けてそのどちらも確保ができているのだろうか。報道ではコロナによる人員整理や解雇が発生しているとされている。しかし一方では求人広告を出しても人が集まらないと嘆いている企業もたくさん存在する。このギャップは何故発生しどこに原因があるのだろうか。介護業や製造業などでは以前と同様に人材不足は潜在的継続的に発生している。一方でホテル旅館などは雇用調整助成金により従業員は失業することなく会社に継続雇用されている。通常ならお客さんが来なくなって店舗を空けれなくなれば整理解雇が常道だろう。しかし雇調金という制度がある事と一旦解雇するとお客さんが戻ってきた時人手不足で店舗を開く事が出来ないジレンマに陥ることを懸念している。雇用調整助成金は言い換えれば失業給付である。実質的な失業者は数字の公表よりもはるかに多い。しかし未だ雇用関係が継続し給与も満額貰って休業している現状が存在する。従って求職活動はしないので極端な失業状態になく他の業種が求人しても集まらないというギャップとなっている。更に生活保護や様々な扶養制度を活用して生活をしているという人も増えている。日本の労働者は潜在的に不足していた。新型コロナウイルス発生前は外国人労働者が様々な労働現場で活躍していた。ところがみんな帰国してしまった。そして日本政府は外国人の入国拒否を取決め実施している。当然労働者不足は発生する。インバウンドなどの対応に追われていた業種はこの影響によりストップ状態であるが前述の通りである。新型コロナウイルスとの対応は今後も続きまた新たなウイルスの発生もあるかもしれない。インフルエンザと同様一定の共存を余儀なくされるだろう。とすればPCR検査の水際対策や罹患した場合の入院医療体制や予防対策としてのワクチン接種などの仕組みづくりを早急にすることが必要だろう。世界の国民が安心して暮らせる環境を作ることが早期に実現されなければならない。とりわけ日本の対応は遅いと言わざるを得ない。様々な既得権が存在するからだろう。又、民主主義の国家なのだと云えば聞こえは良いが、今の日本は本当に民主主義なのか疑問を抱く面も多々ある。人手と人材が確保されている中でのオリンピック開催なら是非してもらいたいが、開催後に感染拡大し医療体制の崩壊と国民の命が奪われる事が決してあってはならない。綿密な計画と対応組織体制を国民の目に見えるように示してから実施して貰いたいものである。

有限会社レイバー経営者コラム「不景気」
有限会社レイバー経営者コラム「人手不足」