2021.07.10

強い日本へ

 東京オリンピックが始まろうとしている。国民の民意は「開催すべき」か「止めるべき」か後者の方が多いように感じるが実際は解らない。各国から選手団は姉妹都市など通じて自治体に滞在し練習している。新型コロナウイルスの対策をどの様な水際対策を行って来ているのか地域住民には知らされていない。一昔前の日本国民なら政府や自治体に信頼を寄せていたが今はそうではない。しかし一方では政府や自治体の失態には悪態的発言をする。それは裏話であった表立った反対行動に及ぶには至らない。所謂他人事の世界となってしまった。客観的に捉える感性を無くしてしまい、自身の事となると直接的であるために権利の主張はえげつないほど厳しい。以前の強かった日本は一体どこへ行ってしまったのか。高度経済成長し文武両道を極め知力体力ともに世界に君臨した大和魂は何処へ行ってしまったのか。日本が弱り始めたと思われる2009年、人口はピークを迎えた1億2800万人であった。あれから13年人口は激減し2021年6月1億2千547万人。何と261万人の減、年平均20万人の減少だ。人口だけが減少しているならまだしも、高齢化が超加速度的に進んでいる。私の住んでいる与謝野町の人口推移を分析してみた。データは少し異なるが平成26年の人口が2万3600人。令和3年1月2万1000人であった。2600人の減少である。内訳に驚いた。0歳から6歳の幼児減少率▲19.8%減、7歳から15歳児童生徒人口▲25.5%減、16歳から22歳青年人口▲19.8%減、15歳から64歳生産年齢人口▲16.4%減、65歳から74歳前期高齢者人口+4.4%増、75歳以上後期高齢人口+2.2%増であった。そして、生産年齢人口の減少数が2100人と減少人口の大半を占めていることが分かった。先月データサイエンスという項目で少し触れたが、単純に人口推移を分析するだけで自分の行なっている事業がどのように影響を受けるか予見できる。例えば、葬儀業なら年間400人の死亡者が派生するがその減少分岐点は想定できる。美容室を経営していたとしよう。利用価格設定をどの客層にターゲットを充てるのか判断できる。車販売や修理業ならテリトリーの競合他社数と車利用者数は簡単に計算できる。人口の減少よりも高齢化している事の方が極めて問題なのである。端的に表現すると総合力は「弱くなった」と言わざる負えない。やはり政策の歪みが国力を低下させ、弱い日本を作ってしまったのだろう。今一度、「強い日本」そして「強い地域」を創っていかなければ日本は地方から崩壊していく。都市を支えたのは地方だということを都市で暮らしていると感じない。毎日おいしい生鮮食料品は地方で作られている。鮮魚や牛豚チキンなどもしかりである。中国からの輸入にも頼っているが、中国自体が超高齢者社会になる。とすれば自国消費内需拡大に転換するだろう。かつて日本が行った政策だ。中国の政策は以前の日本とよく似ている。一帯一路もしかりである。そろそろ日本も次の新しい政策に漕ぎだすときでは無いのだろうか。「強い日本へ」

小牧社労士事務所*経営者コラム「共生社会」
有限会社レイバー経営者コラム「強い日本へ」