2022.07.10

日本の物価高・日本人と他国人とのギャップ

 毎日のように高騰していく生活必需品等により日本人の生活は窮する事態となってきた。企業物価指数は10%程度上昇、又輸入物価指数は43.3%と上昇し製造業を中心に商品販売価格に転嫁せざるを得なくなった。毎日使う電気やガス等節電しても請求額は変わらず製造原価や生活コストを押し上げ利益や可処分所得を減少させる事態となっている。一方で賃金上昇は未だ見込めず、政府の政策も明確なものが示されていない。節電ポイントや原油メーカーに対する補助金等小手先の付け焼刃にしかならない施策だけである。新型コロナ対策では持続化給付金や雇用調整助成金等に莫大な国費を費やした。勿論国民の税金である。2年間を振り返ると経済は止まり労働活動が止まっている状況にあった。従業員は休んでいても100%の給料が貰えた。企業もその負担は国から貰えた。稼得能力を停止または低下させた所に物価高騰である。国民は今総じてこの事態をどう思っているのだろう。おそらく国がなんとかするし、国の責任でカネをばらまくだろうと考えているだろう。2021年度税収は67兆円と増加したと報じられた。不思議なことだと誰も思わないのだろうか。日本人の純然たる労働生産による税収はいか程であったのだろう。補助金をもらった個人事業者や企業は純利に課税されている。その割合はどの位であったのだろうか。その事をマスコミは調査して公表すべきであろう。補助金助成金による副作用が出始めている。一つには国が金をばら撒くから大丈夫という他人事のような経営者の視点の存在。従業員は働かず100%給与を貰っていたので、いざ働くとなると労働時間に辛抱や我慢が出来ない人達の存在の増加である。これ等は何方も社会復帰のリハビリが必要である。しかし誰も気付いていない。政府の政策は場当たり的なものが増えた。30年程前はこのようなことは無かった。日本人が俯瞰して客観的に見る目や利己中心的考えばかりで利他的思考が政治を担う議員にさえも欠落したからではないか。日本人は過去の栄光に未だに縋り振返る事ばかりしかしない。GDPは世界第3位で2位中国とはかけ離れた。日本国民一人当たりのGDPは28位。OECD調査2020年平均年収アメリカ763万円・スイス713万円・韓国462万円・日本424万円となっている。平均年収である。一方食事やコーヒーなどに費やす額はレストランで900円世界48位コーヒー一杯484円アメリカ651円とやはりこちらも安い。日本は30年間デフレと戦いいまだに抜け出せていない。世界の人は日本の現況をどう見るか。日本の物価は安い。超円安で更に安い。日本は治安が良く、商品の品質・サービスが良い。世界経済フォーラム2022年5月発表によると旅行観光競争ランキングに日本は1位に輝いた。インバウンド再開で外国人旅行者が都市部以外の地方にも訪れるようになる。日本の商品価格は安いのが現実。過って日本人がアジアの国々を訪れた時の感覚である。今アジア諸国で日本の商品と比べて安いと思う商品があるだろうか。

 日本人の頭・意識を切り替えないといけない。

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有限会社レイバー経営者コラム「日本の物価高・日本人と他国人とのギャップ」