2024.03.11

地方自治体崩壊の前夜

 2024年度新年度予算が国会で審議されている。議論の的は「政治とカネ」の自民党会派の議員の裏金問題の真偽究明と事実認定について論争を続けている。政治倫理観の無い政治家が次々に政倫審に登場し同党質疑ではやらせのようなお粗末極まりない劇場国会である。現状の日本財政から国家予算を組むことが如何に困難で厳しい事なのかをもっと真剣に議論してもらいたい。能登半島地震復興予算を政争の盾として中身を議論しない議員の姿は全国民に目に触れ政治に対する不信感は基より政治家に対する不用論が醸成され国のガバナンスに亀裂が走り、様々な暴走が起こる可能性が出てきた。辛うじて日本国民の人間性が和をもちお互いを助けあうという民度の高さが暴走を食い止めている。然し国民の不安・不満・怒りは加速度的に高まっておりいつ何時沸点に達するか知れない。日経平均が4万円を突破しバブル絶頂期を超え経済は上向いていると報じている。実体経済はどうであろうか、輸出関連企業の好業績は一重に円安だからである。生産量の増加による利益がUPしていたなら喜ばしいがそうではない。為替益に要る一過性のものにすぎないと考えられる。以前にも投稿しましたが産業革命がイギリスから始まりそのコアは「力」でした。人力で行っていたことを機械に置き換えていった。現代のコアは「知」と云われています。コンピュータデバイスが人間の知能を補完しデータ分析や情報伝達・情報選択機能を瞬時に行うようになりました。その「知」の生成が「力」を支配することにより高度成果物が作り上げられるようになりました。生成AIです。AIへの取組は様々な業界分野で導入され進化し続けています。日本の現状はどうだろうか?利権が絡んだ国の運営は既得権益に縛られ規制緩和や地方創生とは名ばかりで、規制強化と都市集中そして極めて重要なことは人材育成に注力してこなかった国家行政の不作為にこれからの日本国民は厳しい生活環境で生きていかなければならなくなる。

 いち早く悟った国民は他国で生活することを選択する。商売では日本人を相手とせず他国の国民を相手に取引する。地方の衰退した町から少しでも生活環境の良いところを目指し転居する。地方の自治体に残された市民は高齢者対策と倒壊家屋と耕作放棄地と情報貧乏な自治体運営の下で暮らさなければならないという極めて貧富の差が歴然と表面化する。

  そして今、日本の財政は危機的状況にあり借金も限界を超え、国家予算編成も「社会保障給付費・国債費(借金返済と利息支払い)」で60%を占め国防費と地方交付税(17兆7千億円)を除けば22兆2千億円で公共工事や教育を行わなければならないという極めて厳しい。一度財政危機が起きれば地方交付税のカットは想定できる。地方交付税に頼っていた地方公共団体はその時点で機能を失う。全国の地方公共団体は不測に事態も想定して行政運営しないと市民を守る事など出来ない。国も又しかり。

 日本国と云う国の将来のあるべき姿を示す豪傑懐仁のリーダが出てくることを望む。

小牧社労士事務所*経営者セミナー「新リストラ時代」
有限会社レイバー経営者コラム「地方自治体崩壊の前夜」