2018.08.10

賃金体系

最近賃金制度に関する質問が増えてきている。「賃金制度を整備したい」という理由は「人手不足」が原因で優秀な人材を「採用」「定着」させたいというものが多い。あるいは企業規模が拡大していく過程で従業員も増え「しっかりと整備しておいたほうがよい」というものだ。

前月のつぶやきでも述べましたが「賃金制度」とは人事制度の一部で社員の実績に報いる仕組みです。この「賃金制度」と脳の仕組みは深く関係しています。
私達人間の能には脳内の快楽を司る「報酬系」という神経回路があります。脳は欲求が満たされた時に「報酬系」または「報酬回路」と言われる神経系が活性化して、ドーパミンなどの快楽物質を分泌します。この「報酬系」のおかげで私たちの行動における動機付けがされます。いわば人間も動物もこの「報酬系」の奴隷のようなもので、ここで発生する快楽物質が欲しいがために色々な行動に駆り立てられます。逆にいうとこの快楽物質という「ご褒美」なしに人間は何かに打ち込んだりすることはできないということになります。企業活動においてこの「ご褒美」は上司から褒められたり、希望の部署に配転されたりと色々ありますが、やはり最たるものは報酬(賃金)でしょう。さらに脳の「報酬系」は欲求が満たされた時だけでなく、報酬が「期待できる状態」でも快楽物質を分泌することがわかっています。すなわち行動にたいする「報酬」が与えられること、その「報酬」が期待できる状態を示す賃金体系が明確であることは、従業員をマネージメントしていくうえで必要不可欠といえます。

しかし、賃金体系をマネージメントの一部として利用するなら、業種、職種さらには企業文化によって異なることに注意しなければなりません。例えば、営業職や企画・立案等、直接利益を産み出す人材群と事務職や工場労働者のように間接的に利益に関わる者では、「報酬」が異なり、社内でもそれが分類されるのであれば、2つの「賃金体系」を用意する必要があります。

業績UP・人材定着・採用力強化のために明確な「賃金体系」をつくりましょう。